お喋りメール‥、

夜勤が多い老人ホームの勤務はこの頃、とても疲れます。
夕方5時から翌朝の10時までの夜勤が終わっても、
人手不足なので帰るわけにもいきません。
退社するのは、午後2時近く。半分眠りながら帰ります。


次の日はお休みだけど、時差ぼけ状態で、
目覚まし代わりに、ついついね、お喋りメール送ってしまうのね、
koujiさんに。



「寒いねえ、
スカートはいてデートしたいけど、すぐに冷えるのよ。
昔はねえ、真冬の札幌で、
素足にサンダル、ミニスカートでも平気だったのに‥。


あなたに会い始めたころ着ていた、薄地のワンピースも、たった数年で、何だか、似合わなくなってきたわ。
おばあさん化、止める方法、ない? 」


返事はありません。
こんなメール、答えようがないわね。それではと、もう一通送ります。


「おーい、
目、覚めている?
老化防止は、まずは食べ物からね、野菜、いっぱい食べなくちゃ。
次回は野菜鍋にするわ、名付けて、“一日分の野菜鍋“
野菜だけじゃ可哀想ね、肉団子作って入れるから、安心を。
もちろん、一緒に作るのよ、
いいかしら? 」


返事がなければ、もう一通‥、と、
思う間もなく、
携帯の、着信音が鳴りました。
(あら、嫌だ、お喋りメールはもうおしまい?、まだ、書きたいことあったのよ。)


実は、私、koujiさんとの電話のやり取りは、あまりね、
好きじゃありません。


<その理由➀>
「もしもし、」と言ったら、
「もしもし、」だけが返ってきて、
「もしもし、」「もしもし、」「もしもし」「もしもし」がずうっと続いてしまうこと。
私が笑い出すまで終わらない。


<その理由②>
何故だか、電話の声って、聞こえにくいのです。
私、難聴ではないんですけれどね、何故でしょう?
毎回、聞き直す訳にはいかないわ。


<その理由③>
話がとぎれとぎれになってしまうこと。
というのも私たち、会話に「‥、‥、‥、」が多いのです。
顔が見えればよくわかるのだけれど、電話は、話し続けなきゃわからない。
koujiさんはいつものように「‥、‥、‥、」で交わすから、
私は、しょっちゅう、
「聞こえてる?」と尋ねている。


そんなわけで、
電話は、少し疲れるし、ロマンティックでもありません。
だのに、koujiさん、どうしてかけてくるのかしら?
きっと、やんわりね、強制終了でしょうねぇ‥。


メールのお喋りは、ほ.ど.ほ.ど.にして、
休みの日は、お化け屋敷を片づけなくてはいけないんだったわ。
(私の家だって、ピカピカだった頃もあったのよ、)と、辺りを見渡して‥、
ため息。


「koujiさんの絵 」2017/09/20
(花は苦手です。オジサンですから‥。)





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